アクテリオン初の製品、トラクリア®錠(一般名:ボセンタン水和物)は、エンドセリンの2つの受容体ETAとETBの両者を阻害するエンドセリン受容体拮抗薬(ERA)であり、慢性で致死的な疾病である肺動脈性肺高血圧症(PAH)に対する経口治療薬です。PAHは肺動脈における異常な血圧上昇を特徴としており、トラクリア®錠は、血管の内側を覆う単層の内皮細胞から分泌されるエンドセリンの働きを阻害することにより治療効果を発現します。
PAHは、基礎疾患となりうる心肺疾患がなく原因不明の原発性肺高血圧症(PPH)、及び特定の疾患に関連して起こる肺高血圧症に分類されます。PPHは、日本では1975年度より厚生省特定疾患に指定され、特定疾患医療受給者証交付件数は2003年度で700名となっています。
PAHの最も代表的な症状は呼吸困難(息切れ)ですが、この症状自体は他の様々な病気でも見られることから、PAHが見過ごされてしまうことがしばしばあります。実際、正確な診断がつくまでに平均2~3年かかるとも言われ、早期に診断されていたら生存できたであろう貴重な数年を無駄にしてしまうこともあります。
PAHの重篤性と患者の多大な負担を考えると、医師にとってPAHと診断することはつらいことでした。これまで世界中で使われている代表的な治療薬としては、胸のあたりの静脈から挿入し、心臓近くに留置したカテーテルを介して投与する薬剤でした。トラクリア®錠の登場により、医師は、症状を緩和し、病気の進行を遅らせることが以前に比べて容易になりました。
アクテリオンでは、現在、米国、EU諸国、カナダ、イスラエル、オーストラリア、スイスを含む全世界の主要な地域で独自にトラクリア®錠を販売しています。
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